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塩麹はお肉をやわらかくするんです。

<こうじ>一般的には「麹(こうじ)」と書き、麹をつくることを製麹(せいきく)といいます。
「麹」と「糀」という二つの表記がありますが、「麹」は中国から伝わった漢字。「糀」は日本で作られた国字。あえて麹をそのまま使わず、「米に花」の糀という文字を作り出した日本人に美意識を感じます。
きっとそこには、「麹」という文字では表現しきれないものがあるのかもしれません。糀という文字は、味噌蔵で比較的好んで用いられ、麹は酒蔵で用いられているようです。麹も糀も意味は同じ。
古町糀製造所では、「米から生み出されるもの」として直感的に分かり易いように「糀」を用いています。

糀は、味噌、日本酒、味醂には欠かせません。日本の発酵食は、糀抜きには語れないのではないでしょうか。
特に日本酒の世界では
一 麹(糀) 二 酛(もと) 三 造り といわれ、日本酒造りのなかで大切な条件の一番にあげられます。
その糀をぬるま湯に浸すと、糀は糖化され濃厚な甘さを醸し出します。 甘さはブドウ糖、そして必須アミノ酸すべてを含み ビタミン豊富、葉酸を含むなど、その栄養価は点滴にも匹敵すると言われています。江戸時代に夏に好んで飲まれたそうです。
また、酒屋の世界では次のような言葉が昔言われていたそうです。 「産後の日経ちが悪けりゃ、甘酒飲ませ」 産後の母親に積極的に飲ませたといいます。これは、もちろんアルコール分の残る酒粕を使った甘酒ではなく、糀の甘酒のことです。
 

二つの甘酒。ひとつは糀でつくられ、アルコールを含まず自然な甘さのもの。もうひとつは、アルコールを含む酒粕に砂糖などを加えたもの。 コウジ菌は様々な酵素をつくりだします。そのひとつが「デンプン分解酵素 アミラーゼ」。デンプンはお米の主成分。これが酵素アミラーゼによって分解されると、ブドウ糖となります。これが、糀の甘さの正体です。ブドウ糖は、お酒の発酵に欠かせない微生物「酵母」の餌となります。ブドウ糖を食べた酵母は、代謝物としてアルコールをつくりだします。こうしてお酒は出来上がるのです。 古町糀製造所の甘酒は、酵母を加える前の状態、つまりアルコールが作り出される前の状態なので、アルコール分がゼロとなります。
「甘酒」という言葉に「酒」という言葉があることで、本来誰でも飲めるものでありながら誤解が生じてしまっていると感じ、私どもでは酒粕ではなく糀の甘酒を「糀」と呼ぶようにしています。

 

次に酒粕です。 米、米糀、水を混ぜたものに、酵母を加えたものを「もろみ」といいます。これをゆっくり熟成させ、酵母の力にお米の糖分が分解され、お酒になっていきます。この段階では白濁とした液体、どぶろくのような状態です。この熟成したもろみを搾ることで、透き通ったお酒ができます。その搾りカスが、酒粕なのでアルコール分が残るのです。そして、もろみに含まれる糖分がアルコールに変わっているので、酒粕には甘みはほとんど残りません。
 
 
 

最近注目されている調味料としての糀、塩糀。 特徴は、糀のもっているタンパク質分解力にあります。
コウジ菌が作り出すもうひとつの酵素 「タンパク質分解酵素 プロテアーゼ」。タンパク質が分解されるということは、柔らかくなるということです。分解されたタンパク質はアミノ酸に代わり、そのため旨味が増します。塩糀を使うと肉、魚が柔らかくなり、旨味が増す、というのはこのためなのです。また、塩糀のタンパク質分解酵素は、熱に弱いため、過度の熱を加えるとその効力はほとんどなくなります。
調味料として注目されたのは近年のことですので、これからその用途の広がりが期待されます。